前回に続きレンタカーの話題。普段利用しているニッポンレンタカーさんが新たに今年よりスタートしたサービス『ヤナセ プレミアムカーレンタル』を利用して、以前から興味があったAudi A1 Sportbackを借りて600kmほど走り回ってみました。
A1といえば2010年に本国デビューしてから既に7年のモデルサイクルを経過した1台。デビュー当時は私も興味があり、実際にディーラーまで足を運んだ記憶がありますが、結局当時の感想は『やっぱりMINIのほうがいいなぁ』というものでした。その後、追ってすぐに5ドア版のSportbackが追加され、一気に街中を走る台数が増えた印象。その後かなり遅れてMINIも5ドアモデルを追加したことを考えれば、やはりAudiの戦略はそこそこ当たってた、と考えるべきか。
で、今回借りた1台は…借りてみてびっくりの1.0Lエンジンが搭載されているモデルということを知る。え?1.4Lでも1.2Lでもなくて??と思ったら、2年前のマイナーチェンジ時に新しく設定されたエンジンのようで。スペック的には3気筒の1.0L直噴ターボ。馬力は95馬力しかありませんが、我が家のDS3より排気量は少なくパワーは大きい、という点では最新鋭のダウンサイジングエンジンなんでしょうか。
外装を見回してみると、細部がデビュー時より異なっていることに気がつきます。大きくガラッと変わったところはありませんが、最近のAudiらしく、ライト類のデザインが他のモデルと共通したデザインに変化し、目新しさを表現しています。オーナーじゃないとあまり気がつかないポイントかもしれませんが、こういう変化は既オーナーはすごーくうらやましく感じる部分なんだよなぁw
それにしても、7年経った今見ても、このデザインはなかなか見所のあるスタイルなんだなぁと再認識。ちゃんとAudiっぽいけど、若々しい感じがするのは、徹底的にライバルを研究したからなんでしょうね。
一方で内装のほうは、というと…デビュー時からはあまり変わっていない印象。決して古くさいと感じさせられる訳ではありませんが、されとて7年経過したモデルと最新モデルと比べれば、なんとなく地味に感じます。
とはいえ、レンタカーに装備されているMMIシステムは操作しにくいといったことはなく、必要十分と思います。なお、上級モデルや最新型のQ2はシフトレバー周辺にMMIの操作系が集約されていますが、次期型は同じくそういう設えになるのかな?それに加えて、きっと全面液晶メーター(バーチャルコクピット)なんかがきっちり装備されて、一気にグレードアップ。…既オーナーはきっと悔し涙w
さて、実際に走ってみたところですが…これが非常に素晴らしいデキ!正直、1Lなんてさっぱりだろ?と思い込んでいましたが、実際には発進直後から小気味よくシフトアップしていき、気がつけばそれなりのスピードで走る、という感じ。音・振動含め、『今頑張って加速してますから!』感が一切ありません。一方、あまりぶん回すエンジンではないようで、高回転域まで引っ張っても、あまりパワー感は増幅しません。
細かくスペックを見てみると、最大トルクが発揮されるのが低回転領域に集中しているから。トルクカーブ見ると結構特殊だなぁ。組み合わされている7速DSG(Sトロニック)もギクシャク感は皆無、非常にスムーズに動いているのがよくわかります。デュアルクラッチ車は皆そうですが、特にこのクルマはタコメーターの針を見てるとめまぐるしく動く印象を受けます。(見てるとけっこう面白い)
それに加え、車重がかなり軽くなったことにより、ハンドリングは至って軽快。ペースを上げて峠道を走り回っても『これはちょっとアレだな』と思わせる瞬間は一切なし。淡々と走りこなす様は車体サイズやエンジンスペック見てもかなり異質に感じます。そのテンポの軽快さは、ちょっと最近味わったことのない感覚だなぁとひとしきり感激。とにかく軽快で面白い。一方で高速走行も全くもってびしっとまっすぐ走ります。国産の同クラスのモデルは当たり前としても、最新のMINIやPeugeotと比較しても、かなり良いレベルにあるのではないかな?と思います。で、ふとタイヤに目をやると…185/60R15のContinental ContiEcoContact。お、60扁平とは!と驚きしきり。このタイヤでこれだけの走りっぷりするなんて、もはや感動の域。
あと、特筆すべきポイントとしては、600kmを1日で乗り回したにもかかわらず、疲労感はあまり感じませんでした。シートのデキはそこまで良い、とは思いませんでしたが、それでも疲れないのはクルマの動きが非常にナチュラルで、余計な気遣い(常に修正舵など)が必要なかったからに他なりません。
借りた当初は『安モデル』と思って(半ばバカにしながら)乗ってみた1台でしたが、買うなら1.4Lよりこっちのほうがこのクルマのキャラにぴったりハマるかなぁと思います。これが200万円後半で買えるのであれば、全体的にプライスの高い輸入コンパクトカーの中ではかなり『お買い得』な1台なのかもしれません。
残念なポイントとしては、最新の安全デバイスは標準装備はおろか、オプション装備もありません。次期型はACCや自動ブレーキが当たり前のようにつくでしょうが、現状ではやはりこういうポイントが『もうさすがに古いかな?』と思ってしまうポイントです。クルコンぐらいはつけて欲しいんだけどなぁ。
ちなみにこのレンタカーで借りた個体は、オートエアコンやアドバンストキーが装備され、更にコントラストルーフになっている『豪華仕様』でした。これが比較的安く借りられるなんて…普段から乗り回したいわ!と思わせてくれました。ありがとうニッポンレンタカー。ありがとうヤナセ。
で、この1台との出会いをきっかけに、今後いろいろ起き始める訳ですが、それについてはまた後日。
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