Aragosta E 2MINIのキャラクターである『キビキビした走り』何よりも凝った作りがされている足回りが功を奏していると言っても過言ではないと思います。

しかし、街中やワインディングでキビキビしている足も本格的に走る為には物足りないスペックですし、決して乗り心地が良いとも言えず、何とも中途半端な印象が拭えません。そこで足回りのグレードアップを目指し装着したのが「Aragosta E」サスペンションシステムです。Aragostaはダンパーでお馴染みのBILSTEINやKONI程では無いものの、最近知名度がグングン上昇しているメーカーです。特に走りがメインの車種(ex.Lotus Elise/Exige、BMW、Porscheや国産スポーツカー)での支持率は結構なモノがあるのではないでしょうか。商品に関しては、低価格ダンパーとは比にならない程丁寧に作られています。ダンパーのシェルケースひとつとっても差は歴然です。低価格モデルの場合コスト重視で電縫方式(電気溶接でシェルケース筒を生成する方式)が採用されていますが、耐久性や後のOHが不可能な場合が多い事を考えるとオススメできません。それに比較し、AragostaやBILSTEINが採用する冷間引抜方式(大きな筒を引く力と押す力両方を用いてシェルケース筒を生成する方式)を採用し、更にAragostaはこのシェルケースに鮮やかなオレンジ色のハードアルマイトを施し強度と耐久度を生み出ています。

Aragosta E 1そんな拘りのメーカー・AragostaからMINI用にスポーツモデル(倒立タイプ)とコンフォートモデル(正立低価格モデル)がデビュー。街乗りメインの私はコンフォートモデルを導入してみました。
スポーツモデル(倒立タイプ)はサーキットメインの車両向けに開発されたタイプで、街乗りの乗り心地も考慮しつつサーキットでの最大性能発揮を目指した造りや味付けがされています。倒立タイプなのでバネ下重量軽減も実現出来ます。が、倒立タイプの場合、正立のゴムマウントからボールジョイントになる為、正立タイプよりセッティングが難しくフリクションも考慮しなければならない為、街乗りでの乗り心地向上をメインとする場合はセッティングを煮詰める為にかなりの労力と技術を要求されます。その為、コンフォートモデル(正立タイプ)で乗り心地を重視しつつ走行性能の嵩上げを図り「たま〜に走る時に爽快!!」を目指しました。

MINI向けスポーツモデルとコンフォートモデルの差は前出の正立/倒立のほか、ダンパーシェルがアルミからスチールに変更され、純正ストラットのゴムマウントをそのまま流用する形になります。その分価格もコンフォートの方が安い値付けがされています。ただし、注意しなければならないのが…MINIのストラットマウント類は強度があまり宜しくないようで、サスペンション交換時にマウント類も新品に交換しないと破断やガタで性能を発揮出来ない場合があります。マウント類はそれ程高いパーツではありませんし、社外品でウレタンマウントも発売されているので強化品に変更するのも良いかもしれません。

※ちなみに、私のMINIに装着されているAragosta Eは現在発売されているモデルとは異なりテスト品の為、ストラットシェルがアルミで出来ています。また、細かいセッティングが異なっています。

交換後の感想は…純正の乗り心地より格段に良くなっている事がわかります。低速域では若干突き上げを感じる場面もありますが『ガツン!!』という感じでは無くソフトに往なしてくれます。また、中高速域ではフラット感が非常に良く安心して運転する事が可能になりました。ワインディングロードを走らせるとノーマルと比較してロールや姿勢変化が減り、限界域が高まっている事がとても良くわかります。ノーマル時はズルズルとタイヤが滑り出すような場面でもAragostaはジックリ粘ってくれます。

ただ、若干私にはカタログスペックのバネレートは物足りないので…今後バネレートを変更しもっと自分の好みに合わせた仕様に仕上げようと思っています。

満足度…★★★★+★(仕様変更期待分)