グリル
先日のもらい事故で用意された代車ですが、当初はオルトラと同じワゴン車を用意します!ということだったのですが・・・フロントまわりをぶっ壊して+事故の状況上0対10は確実、という判断が早い段階で出来た(私も、ディーラーも)ということもあり、急遽貸出車両がレンタカーに変更となりました。(ま、判る人は判ると思いますが、いろんな事情ですねウヒヒ)

で、あてがわれたレンタカーは、
『個人的一度は乗ってみたいクルマリスト』の上位にいる1台、Peugeot 308(T9)でした。
テール
◇概要
308という名称ですが、実は2世代目。初代308は比較的背が高く、居住性が高そうなスタイルでしたが、2代目308はグッと背が低くなり、スポーティーにというかVW Golfみたいなクルマに変貌。
今回貸出車のグレードは『Premium』という最廉価モデルです。ハロゲンヘッドライトに16インチタイヤ、非スポーツ系シートにマニュアルエアコンと、本国にゴロゴロ走っていそうな、玄人(変態)好みな仕様。余談ながら、この変態グレード、導入から1年も経たずにカタログ落ちしています。ま、確かに誰特グレードではあるよね。

◇エンジン・・・1.2L 3気筒PureTechターボエンジン。以前所有してたDS3 Chicにも搭載されていたEB型エンジンですが、あちらが自然吸気で82psであればこちらはターボで130ps。同じ系統のエンジンとは思えないぐらい活発。確実に進化していますね。非力さは皆無で底からトルク感があり、燃費も良好。3気筒ならではの振動は感じますが、そこまで不快には感じず。街乗りであれば本当にこれで十分だと思いますし(DS3ですらそう思ってた)、高速や山岳路乗っても不満はないと思います(DS3だとやっぱりキツかった)
シフト周り
◇ミッション・・・アイシン製EAT6を搭載。シフトショックを厭わぬ設計が故に直結感がたっぷり。おかげで、走らせている感たっぷり。日本車でコレやったら客からクレーム。それぐらいハッキリとした動きをするミッションです。DS3に搭載されていたETG5はお世辞にも万人向けじゃなかったけど、これなら問題ないでしょう。ちなみに最新型308は更にアップデートされており、アイシン製EAT8が搭載されているそうです。
唯一、ケチをつけるとするならば、左H設計になっているシフトパターンはかなり困惑します。慣れれば問題ないのでしょうが。まぁPSAのクルマに右Hのネガ言ったってしゃあない、の世界か。
タイヤホイール
◇足回り・・・16インチ仕様ってのもあるのでしょうが、素晴らしくスムーズ。不思議なのが、ヤワヤワではありません。ひたひたと走る、という表現が適切なのかと思います。当然ながら、不快感は皆無。ペース上げてもよく動く足。これがホントの猫足か?(ごめんなさいよく判りません・・・)でもホントによく出来ていると思います。なお、装着されていたタイヤはMichelinのEnergy Saver(恐らくOEタイヤ)でした。タイヤの性能はまずまずといったところなんでしょうが、ちょっと気になる挙動を示す(サイドウォールがヨレる感じ)がありました。
インパネ
◇ステアリング
ステアリングの設えは不満ないけど特筆するものもなし。熱々な感じは一切ありませんし。熱々に走ろうとしてもさほど答えてくれません。言い換えれば、多少運転が下手でも何とかなるような設えなのか。でも、このおっとりとした性格は、普段乗りであればそれなりにハマる証拠なのかも。ちなみに、ステアリングを説明するのであれば、特異なコクピット周りの設えを喋ったほうが良さそうですね、ということで↓
メーター
◇操作性とインテリア
最近のPeugeotではもはやお馴染みi-Cockpit。ハンドルの上部からメーターをのぞき込めるように設えられた小径ステアリングは個人的にアリです。女性であれば、このほうが運転しやすいのでしょう。実際、ヨメがそうでした。ただし逆回転のタコメーターは違和感タップリ。どう頑張っても、頭が認識しづらい。。。
また、コンフォートシートの座り心地は上々。ドラポジもほぼしっかり取れます。PSAの右ハンドル車特有問題であるペダルオフセットは気にならないレベルで収まっていました。室内も狭さがなく必要十分。後席の広さは車体サイズに比べて若干狭めではあるものの、そのぶんトランクはしっかりと積載性あり、ハッチバック車の割にはたくさんの荷物が積めます。チャイルドシートを使用しなくてはならない我が家の環境としてはステーションワゴン車を好むところではあるのですが、この308HBであれば問題なさそう。Golfだと、これがいささか厳しいのです。
エアコン
◇その他
今回お借りした最廉価Premiumグレードのみ存在するであろう不満としては、i-Cockpitタッチスクリーンで操作するマニュアルエアコン。オートエアコンであれば、温度のみ操作するだけになるでしょうから、それほど煩わしくないと思われますが、マニュアルの場合、風量・風向を都度弄ることとなりますが、センターコンソールをスッキリさせたいというご都合が結果この最悪な操作性に結びついたのでしょうね。(ちなみに内気循環切替のみ物理スイッチが存在します)
ナビ
それから、ディーラーOPのPanasonicナビは2012年に発売されたCN-Z500Dがベースとなったもので、機能や使い勝手含めて世代が古く、正直、わざわざ高い金を払ってまで装着する価値はないと判断できます。個人的に一番解せない(というかもうちょっと頑張れよ)と思うのが、ナビが音声案内するたびにオーディオがブッツリとミュートされること。おそらくは、i-Cockpitから再生される音声信号を、わざわざ別のアンプで切り替えているのでは?と思われます。調整不能。これじゃあなぁ。

ちなみに最新型308ではタッチスクリーンがApple CarPlayに対応しているので、Yahoo!カーナビ等を活用したほうがよっぽど幸せになれると思いますし、それでもやっぱり本格ナビが欲しいというニーズに対しても、パナナビからPioneer楽ナビをベースとしたものに切り替わっているので、そちらであればまぁまぁ最新ナビの恩恵は受けられると思います。
MyPeugeot
ちなみに、i-CockpitとiPhoneをBluetoothで接続することで、MyPeugeot Appが使用できます。このAppを使用することで、メンテナンスのスケジュールが閲覧できたり、ドライブ情報が集約できます。それほど多頻度に使用する内容ではありませんが、都度の走行距離や時間、燃費情報が記録できるので、それらを小まめに管理したい方には良い機能かと思います。ちなみに、車体番号を入力すると自車がグレード、ボディカラー含めて現れます。

◇ 結論
で、2週間付き合ってみた結論としては、

『DS3より洗練されていて、尚且つアシ車としてけっこう優秀』

Golfほど知名度なく地味な存在で、品質含めた仕上がりはもちろん劣る部分もあると思いますが、総じて良く出来ていて、最新の高グレードモデルであれば先に記した不満点も改善されているものもあるだろう、と思いますので、十二分に買いであると思います。ただ、このクラスは激戦区でもあるので、デビューからかなり経過したこのモデルの鮮度も、ちょっとずつ落ちてきているんだろうなぁ。次期型はどんな1台になるのか、期待しています。