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一昔前まで、クルマの電装系を弄るとしたら・・・ヒューズボックスから電源を取り、ハーネスから該当する配線を探し出して・・・と、それはまた非常に面倒だけど、思い通りに動作すれば楽しい作業でした。が、今般のクルマは『弄る=コンピュータを操作する』にすっかり様変わり。ということで、今回のネタはコーディング。

初めてこの単語を見たときは『コーティング??ボディの話??』と勘違いしたのも今は昔。今や輸入車のDIY界では常識か?と思う位一般的になりました。初めてコーディングという行為を知ったのはたぶん10年前ぐらい。当時はPCと車両をケーブルで繋いで、専用ソフトウェア使って・・・って、完全にHackingの世界。とてもじゃないけど素人が手出しできるようには見えませんでしたし、実際のところ、初期投資もそう安くなかったので敷居高めというか高かった。

時は経て2016年。(振り返りです)
そんなコーディングもだいぶ敷居が下がったというので、↓こんなん買ってみました。

BREX/ブレックス BMW TVキャンセラー デイライト コードファントム BKC990

Code Phantom CC(以下CP)の登場。
で、敷居が下がったとは言えどもやはりショップ以外での施工については『やめといたほうが・・・』が多数意見だった中で、こいつは非常に画期的な商品でした。まず驚いたのが、PCではなく、iPhone上で、しかも日本語環境で、特殊知識不要でコーディングが出来るという点。これはかなり好感触。
また、安心できる点としては初回接続時にバックアップが働くという点。これも当時は珍しく、何かあれば元に戻せるよ、というのも好感触でした。
パッケージはまるでiPhoneのそれのように高級感のある箱に梱包されており、丁寧な説明書も封入されており、価格相応感はアリ。販売元であるBREX自体も、元から輸入車向けLEDバルブの販売である程度知名度もありましたので、『まぁ、試しに買ってみるか!』ぐらいの感覚で購入。設定できる項目はBREX社のウェブサイトをご覧いただくとして、当時設定した事項は↓以下の通り
・TVアクティブ
・リーガルディスクレーマ
・デイライト
・デイライトメニュー
・P席ミラー下降角(30度へ変更)
・ドアミラー格納
・ナビ・パワーOFF
・USB動画再生有効化

上記8項目を設定しました。

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■デイライト関係
コーディング当初の目的はデイライトの封印解除。JCW購入当時は法規的にNGでしたが、その後の法改正が実施されたので(※と、言えども改正前車両が法規適合するかどうかは別の話ではある)実際に光らせてみました。結論、これはかなり良い。ドレスアップ的な見た目がというよりも、被視認性が上がるのは間違いありませんし、実際、昼間でも自車の存在感が周囲にアピール出来る点で言えば、安全性にも寄与しているのでは?と思います。

ちなみにですが、バンパー部にスモール・フォグ兼用ランプが装備されていないJCWの場合、スモールライト点灯時はデイライト部が減光状態で光るように(※他のモデルはOFFとなり、ロービーム点灯状態になると再度光る)なっていますが、その機能には影響しません。

■USB動画再生機能の追加
ついでにやっておくか、ぐらいに思っていたのに割と重宝しているのは、USB動画再生機能の追加。
再生にあたっては(当たり前ですが)大容量のUSBメモリが必要です。それから動画ファイルの仕様としては、MP4形式の動画であれば再生可能。FHDサイズまでであれば、大抵再生できます。(この辺はPioneerナビだと、ちょっとでもエンコード設定が規定を超えるとダメだったり、ナビが落ちたりする)細かなエンコード仕様については、どっかのサイトにありますので、気になる方は探してちょうだい。なお、一応注釈しておきますが、iPhoneやスマホの画面ミラーリング機能ではありませんので混同無きよう。

この再生機能の惜しい点は2点、ひとつ目は、MP4形式でチャプターをつけた動画ファイルについて。再生はできるものの、チャプター送り・戻しは機能しません。また、ふたつ目はギャップレス再生にも対応していません。すなわち、長時間動画については、チャプター間で途切れることを覚悟するか、または早送り・巻き戻しを画面下のボタンを『延々と』押し続けるしか方法がありません。この機能もあれば完璧過ぎて感涙だったんだけどなぁ。というか、なぜこの機能が隠し機能になってるのかは謎。『再生されない!』のサポートが面倒だからかしら。

■ナビスピードロック解除
また、動画再生機能を有効化したのであれば、当然ナビのスピードロックも実施しないと意味がありませんよね・・・。詳細は省略しますが、都合上255km/h以上でロックがかかるようになります。

■ドアミラー関係(バック時・ドアロック時の挙動)
それからドアミラー関連を2点ほど。まずリバース時の下降角度ですが、標準状態はあまりにも下を向きすぎて地面を映す有様で、結局ムダ機能と思い常にOFFにしていたのですが、コーディングで下降角度を浅くしたことにより、ようやく使いものに。というか、こんな下映してどーすんだ??

また、ドアミラー格納機能については、コンフォートアクセスのボタンを長押しすることにより格納される、という仕組みではありますが、この長押し時間を1.5秒から0秒に変更するというもの。個人的には1.5秒押しが長く感じることもあったため、この変更も地味にイイです。ただし、0秒というものの実際には気持ち長押ししないと格納されません。『ポチッ』と押すだけでは格納されないので、ちょっとした慣れが必要。

■その他
・リーガルディスクレーマ解除→必ず出る警告画面省略。ただしMINI Connected接続時は結局出るのは何とかならんのか??
・ナビパワーOFF→スイッチでエンジン切って、ドア開けたら電源OFF。1回の動作で良い。便利。最近のクルマはこの機能がデフォルトになってますね。

■やりたかったができないもの(※同じ落とし穴に落ちる人向け)
・ドアロックアンサーバック・・・純正セキュリティ装着ないと動作しません
・GPS連動時刻補正・・・うちのは動作しなかった(元から自動調整らしい?)

と、こんな感じでして。便利な機能が増えました。

一方のイマイチポイントとして、この手の商品にありがちなのが『決まり切ったことしか出来ない』という点かもしれません。例に漏れず、この商品も自由度はそこまで高くありません。ただ『人気の機能』はほぼ網羅していますから、とりあえずデイライトだけ!と思うような方には良いかもしれません。
また、これは商売上仕方がないことでしょうが、最初に接続した車体以外では使用出来ないという制約があります。使用後売り払うことも出来なければ、今後他のMINIに乗り換えても再購入。その点はコスパ悪し。

その上、一番のイマイチポイントが・・・というところで次回へ持ち越し。