MINI ONE

先日の記事に書いたとおり、丸5日間新型MINI ONEをレンタルしてきました。R56 MINIは何度か試乗したり代車として半日借りたりのレベルでしたので、今回、存分に堪能。ってことで感想でも。

今回借りた個体はMINI ONEのAT仕様。塗色は上品なスパークリングシルバー。でもこの色、個人的にはあんまり好みじゃないなぁ。。。オプションは15インチアロイホイールとフロントフォグライト、純正PioneerナビとETCのセットが装着されていました。総走行距離は借りた時点でまだ8,000km少々、昨年12月に登録されたようで、車内にはまだかすかに新車のかほりが残る状態でした。

エンジンルーム

さてさて、ONEの特徴と言えば…外見のことより、まずはエンジンと足回りでしょうか。エンジンは1.4L、95馬力/140Nmというフツーなスペック。最初は『やっぱり非力なのかなぁ〜』と思っていたんですが、その予想は…半分当たりで半分間違いでした。やっぱりMy MINIと比較すると、スタートダッシュのパワー感がなく、思いっきりアクセル踏み込んでぶん回して行かないと…遅いです。これだと東京都内の『勢いよく加速して勢いよく止まる』交通の流れについていくのにちょっと疲れます。ただ、一度走り出してしまえば非力感を感じることはほとんどなく、高速道路のような場面でも踏んでいけば十分『走るね!』と思える性能。ただ、エンジン音は意外と騒々しくて、特に一番多用する3000rpmあたりの音が非常にうるさいのがちょっと。流している分には静かなクルマなんだけどなぁ〜。

また…今回は6速AT仕様だったため余計にイマイチに感じた部分もある気がします。と、いうのもこのATがくせ者で、燃費志向のためかどんどんシフトアップして高いギアに入れようとする傾向があるからです。それでなくとも回さなきゃパワーが出ないエンジンなのに。。。また、低速時の変速ショックに伴うギクシャク感も若干感じました。先代のCVTより全然マシなんだけどね。もしこれが自分でシフト制御ができる6MTだったとしたら…もっとキビキビ走れたのかもしれません。フツーの人がフツーに乗る分にはそれほどストレスになる感じではないと思いますが。。。

ホイール・タイヤ

タイヤは15インチアロイにContinental ContiPremiumContact 2が組み合わされたもの。先代MINIではMU後のモデルから装着され始めたタイヤですね。これが意外と良くて、静かで安定感があるタイヤに感じます。足回りは非常にマッタリした乗り味で、乗り心地はかなり良い方に感じます。低速域では多少ゴトゴトとした乗り心地なんですが、スピードを上げれば上げるほどフラット感が増す乗り心地です。特に、首都高のような段差がたくさんある道路でも上手に突き上げをいなしてくれるところなんかは非常に良いでしょうか。ただ、先代MINIの味を知っている私には…ちょっとだけ物足りなく感じたのもまた事実。これはサスそのものの味付けだけじゃなく、ステアリングアシストが電動油圧から電動に変わったことの方が差が大きいのかもしれません。どーいうことかというと…MINIなのに異様に軽く感じるんですよね。それでいて初代ほどクイックじゃないから、ハンドリングだけを考えると『MINIとは思えない』んですよね。。。自分の中では『重い=スポーツ、クイック=スポーツ』みたいな節がありますから、その点から『新型は…ただの安楽な小型車なのか』と思ってしまいます。

インテリア

外見は代わり映えがしないR56ですが、内装は結構違います。でも結論から言うと、長時間乗っていれば差を感じなくなる=基本は変わっていないってことなんでしょうか。一番大きく変わったと感じるのがメーターとセンターコンソール周りですが、実際に運転しながら触れてみると、これがなかなか良い!仰々しいセンターメーターややり過ぎなセンターコンソールは見た目煩いですが、それよりも機能が増えたことの方がイイです。特に、タコメーター内にある液晶インジケーターは便利のひとこと。また、ウィンカーの点滅回数やロック・アンロック時の動作を設定できるといった、先代MINIにはなかった個人設定機能はなかなか良さげですね。でもONEにはオンボードコンピュータがないのであまり意味がないんだけど。。。戸惑ったのが、ウィンカーレバーやワイパーレバーの動作が変わったところ。先代はメカニカル(=普遍的)なモノでしたが、新型は電気的な動作に変わったため、どう動かせば望む動作してくれるのか理解するまで時間が掛かりましたw

さてさて、今回のレンタカーには純正ディーラーオプションのPioneer製HDD楽ナビとETCが装着されてました。レンタカーでこの手のナビがついているってのは結構珍しい。で、この楽ナビ…操作は簡単なんだけど…機械としてはダメですね。タッチパネル式なのは操作が楽でいいんだけどいちいち動作が鈍いし、どこにどの機能があるのかわかりづらい。それに、渋滞予測機能が付与されているのは良かったんだけど、道案内そのものは正直『わかりづらい』し。。。同じくPioneerのサイバーナビ(ってウチのはかなり古いけど…)を使っている私には『イマイチ』に感じました。また、純正ナビの装着法もイマイチで…正直かなり邪魔。んでもって見づらいし。。。オーディオを操作するのにあわせてエレベーター式に動かせるけど、やっぱり邪魔です。もし自分がR56買うなら、2DINキット買ってサイバーナビ買うかな。ETCの方はカードを自分のMINIに入れっぱなしで忘れて来ちゃったから使用してないんですが、これもまたくせ者。なぜなら、取り付けが悪いのかずーっと『カタカタカタカタ』と耳障りな音を発している状態。。。音楽聞いていても耳に入ってくるレベルなので、かなりムカつきました。クルマ自体は品質が上がり、以前は目立っていた異音が皆無だったのでなおさらイラっと。この辺の『純正ディーラーオプションのツメの甘さ』が"いかにも"なトコロなんだけど。

シート

他の細かいポイントをざーっと。ONEのシートは標準タイプ。長時間乗っていても疲れませんでした。でももうちょいホールド性能が欲しいかなぁ。ステアリングホイールも標準。…コレ、かなり細くなったよね?これは完全にスポーツステアの方がイイや。ドアポケットの収納空間はかなり狭くなってた。…モノ入りません。でもその反面カップホルダーはちょっと大きくなり、高さ的にも余裕が出来たので500mlのペットボトルが普通に入るようになったのがイイ。スポットイルミの色が変えられる機能は正直要らない。誰が喜ぶのよあんなギミック?wオーディオの音質は正直クソ。先代より悪くなってねーか?ヘッド換えられないタイプになってしまったから、R56で一番悩むのはこの辺かもしれないなぁ。

総じて、R56 MINIは『更に一般向けになったBMW製の小型車』になった気がしました。乗っていれば『MINIだな』と思うんだけど、つまらなくなったといえば…そのとおりかも。燃費もよくなってるし、クオリティも上がっているし、細かいギミックもいっぱい増えていておもしろいんだけど、やっぱりどうしてR50ほど楽しくない。でも他の一般的な小型車に比べればその魅力は全然劣っていないと思います。


#余談ですが、レンタカーの車検証ホルダの中に…『車両納品書』が。今回のレンタカーはBMW Tokyo(MINI世田谷)で購入した個体だったようで。で、この納品書をジーッと眺めていたら…支払い総額が異様に安いことに気がつく。純正カーナビもついてるのに何故?と思っていたら…項目のひとつに『特別値引』の文字発見。…まぁレンタカーだし、ねぇ。。。値引き額書くと問題ありそーなので伏せておきますが、もの凄い額引かれてますw