Dodge Hornet

Dodge Hornetネタ的にはかなり古いものになってしまいましたが…今更になってその事実を知ったのでちょっと書きます。
今年2月に行われたジュネーブモーターショー。MINI Concept Genevaがデビューしたのは既に書いた通りですが、実はもう1台、MINI乗りとしては非常に興味深いクルマがデビューしていました。

その名はDodge Hornet。アメ車好きの方ならお馴染みのDodgeからMINIによく似たコンセプトのクルマがConcept Carとして登場していたのです。それだけなら『嗚呼そうですか…』で話が終わってしまうのですが、このクルマに搭載されているエンジンは170馬力/1.6L-SOHC スーパーチャージャーエンジンでした。

…これだけでピンと来た方はなかなか勘が鋭いかもしれません。そうです。どうやらこのエンジンは現行COOPER Sに搭載されているあのエンジンと全く同じエンジンのようです。

Tritec 1.6L SCMINI乗りなら誰もが知っている通り、現行MINIのエンジンはBMWとChryslerが共同で設立したTritec Motorsが生産する『ペンタゴン』エンジンを搭載しています。現在、Tritecが生産するエンジンはMINI One/COOPER/S(※One Dのエンジンはトヨタ製)と中国CheryのA15という大衆車に搭載されています。提携当初の予定では、この他にChryslerの小型車(PTクルーザーやNeon等)にも搭載される予定だったのですが…未だ搭載されず。

しかしながら既報の通り、次期MINIにはPSAグループとBMWが共同開発した直噴DOHCエンジンが搭載されることが決定しています。すなわち、MINI向けにエンジンを年間ウン十万機と製作しているTritec社はその存在意義がなくなってしまうのも同然。そこにChryslerが目をつけたのかどうかは知りませんが、HornetにSと同じ1.6Lエンジンを搭載すれば…Tritec Motorsの存在意義は保たれるし、離れていったライバルであるMINIのシェアも喰える…。こういうことでしょうか?
一説によれば、BMWがPSAと組み新型エンジンを開発したのは、提携当時は独立していたChryslerがDaimler社(メルセデス)と提携してしまった=ドイツのライバル社と提携しているのと同然=そんなの嫌だっ!って理由もあるとかないとか。あながちありそうな話ですね。

で、このHornet。MINIとの大きな違いは4枚のピラーレス観音開きドアという車体。SUVチックな外観はトヨタのistに似た雰囲気。デザインは…いかにもアメリカーン。あまりMINIの匂いは感じられません。海外ニュース媒体によれば『市販化を見据えたコンセプト』とありますし、Concept Carの完成度を見ても、近い将来市販版が発売されそうですね。日本に入ってくるかどうかはわかりませんが、もし入ってきたら色んな意味でCOOPER Sと比べられ、そして弄り方も似てくるんでしょうか?(w

DrivingFuture - ジュネーブショー 2006 ダッジ ホーネット・コンセプト
Tritec Motors